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なぜ私は、学びを欲するのか。学び続けるのか ー<序>

たった10年前、まさか大学院を2つ行くことになるとは思ってもみなかった。

2008年、進学を勧められて早稲田大学のビジネススクールに入れていただいたのも、青天の霹靂に等しい出来事だった。

でも、あの時感じていた閉塞感を解決するには、進学という指し示された一本の細い糸を掴む以外に無いという直感があって、進学の道を選んだ。

それまでの42年間の人生の中で寝る間を惜しんで一所懸命に勉強したのは、高校3年の受験勉強のみ。 学部時代は、勉強よりもスキーに明け暮れた。 いわゆる、アカデミックな世界とは無縁で生きてきた私に、WBSの世界は衝撃だった。おまけに進学したのはMOTコース。 同級生たちの殆どが理系で、Wディグリーも少なからず、論理的思考がしっかりと身に付いている。

私は自分がに足りないものがなんであるかを次第に感じるようになった。

情熱は負けない。経営者としての哲学もそれなりにあると自負している。

でも。

想いを設計しシステム化させ、実行し検証し次につなげる。 いわゆる論理的思考。これがよくわからない。

ここが自分の弱さだと感じた。 悔しかった。惨めにも思った。

生まれ変わったら次こそ工学部に入ろう。実力を度外視して何度も思ったものだ。

そして、人生初の修士論文は難航を極めた。 何しろ何をどうしたら良いのか、皆目わからない。

理系の同期達が、どんどんテーマを決め研究に着手していく中で、私はテーマ設定すらできなかった。 ようやく決まったのはM1の終わり、3月のことだった。

その後も、もちろん大変だった。 精通している方に、まるで家庭教師のごとくご指導をいただきながら、とにかく必死で取り組んだ。先の見えない真っ暗な森をとにかく必死で歩み続けた感じ。

先生方のご指導のお陰様で、研究としての枠組みが整い、論文になったことは間違いない。あの時の私には、全体像を把握しながら目の前のことを進めるという研究の往復運動は不可能だった。とにかく目の前のことから振り落とされないようにすることに必死だった。

どうにか同級生たちと足並みを揃えることができて、2011年3月に修了。

しかし、当時の私の力では真の『論理的思考』が身についたとは言い難い。「感覚を味わって」修了だったというのが、正直なところだ。

しかし、人生初の世界が楽しかった。 触りだけだとしても「論理思考」が新たに自分がの中に入ったことは、新たな言語を身につけたに等しい感覚だった。

修了してわかったのは、明らかに世界が広がったということだった。自己成長感が嬉しかった。 社員達からも話し方が変わったと言われた。

そしてある日気づく。 世界を垣間見てしまった私は、せっかく触った「論理的思考」を、しっかり自分のものに体得し、マネジメントに人生に生かしたいと感じている自分に。

でも、本気なのか?

感情がものを言っていないか?

自分との対話を通常、この手の意思決定にかける時間の倍は続けたと思う。

すでに社長のバトンもお預かりして、そうそう勝手なことが許されるはずも無い。実際、仕事と学びの2足わらじは、決して楽では無い。社員達にも迷惑をかける。中小企業の経営者の世界では相変わらず、専門分野でもない限り大学以上の高等教育不要論が根強いのも事実だ。なので、通学にはなぜか後ろめたい思いを抱えることも少なからずある。実際、現場と学校で学ぶ高等な知識やツールの乖離を感じることも少なくは無い。だから、不要論が根強いことも理解できる。「その時間があるならば、、、」と。また、マルチトランザクションを求められる中小企業の経営者は、とかく時間に追われやすい。その中で通学や宿題の為に時間を作るには、かなり厳しい自己コントロールを要される。

けど、やはり、行きたい。これが自分が出した回答だった。

雲中模索で修了してしまったような2年間。でも、確かに自分を成長させてくれて、世界を広げてくれた有難い2年間だ。この貴重な経験をベースに、この次はもう少し地に足のついた感じを確かめつつ、再び土地勘のあるところから、自社のマネジメントはもちろん、社会のお役に立てるような研究をしたい。

どうやら自分の気持ちは確かであることを、私なりに慎重に確かめて次なる行動に移った。

実はそこから幾つかのステップがあった。

断念をせざるを得ないかと思った時もあった。

本気なら時間をかけてでも形にする。私はじっくりと自分の進む道を探して行った。

ある時、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の博士課程を修了された方とのご縁を授かる。

SDM生となった今でも、SDMをわかりやすく語るのが難しいが、文系(と語るのもおこがましいが)出身の私がWBS在学中に欲した「理工系力」を今から学ぶのに、最適な学び舎であると感じた。この直感は、今では確信に変わっている。

実は、SDMを受けようと決めた後も幾つかのステップがあった。別を考えたこともある。でもやはりSDMに行きたくて受験を決めた。

出願準備に入る前に、会長である父に相談した。

ありがたいことに、「どんどん挑戦しなさい」と、背中を押してくれた。

結果的に、彼の母校である慶応への進学が正式に
決まった時、ことさら喜んでくれた。

合格発表の日など、彼の方がソワソワしていたくらいだ。

「健康に気をつけて、多いに学びなさい。入学式や卒業式に親も行けるのかなぁ」 大好きな母校に娘が進んだことを、こんなにも喜んでくれるとは想像もしなかった。

学部時代、もっと頑張ればよかったと悔いた程だ。

ここまでが2つめの大学院進学に至ったエピソードだ。

なぜ、学び続けるのか、なぜ、それが(私には)必要なのか。 よく聞かれる質問である。

この続きは日を改めて綴り、お伝えさせていただきます。

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                         to be continued…