CSR
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episode 11

40年以上使えるP箱。

料飲店などで飲まれるホッピーのリターナブルびんは、20本入りのプラスチック箱に入って出荷されます。この黄色い箱をP箱といいます。古く、ホッピーが最初に売り出された頃は木製の箱に入れられ出荷されていました。その後、1974年(昭和49年)にプラスチック製の箱に改められました。木箱だと、積み上げていくうちに重さに耐えきれず壊れて崩れることがありましたが、プラスチック製の箱は積み上げても破損の恐れがなく、安全性はより高まりました。そして、2017年に箱の仕様が改められ現在の形になりました。1974年から使っていた仕様では、開口部の縦横のサイズがビールの箱と異なり、ビールの箱とホッピーの箱を一緒に積み上げることはできませんでしたが、この仕様改定によって、ホッピーのP箱はビールの箱と同じ開口部サイズになりました。酒販店から料飲店に運ぶ際に、ビールと混載してもスペースを無駄に採らず、また、料飲店のバックヤードに積み上げる時もビールとホッピーを一緒に積んでおけるというメリットが生まれました。

ホッピーのP箱は、びんと共に出荷されて、またびんと共に工場に戻ってきます。びんはもちろんですが、この箱も洗浄され、新しいホッピーと共に出荷されます。その回収率は、ほぼ100%。そして、抜群の耐久性を誇り、40年以上繰り返し使うことができます。リターナブルびんは一度作ると20回ほど再利用できるリユースの優等生ですが、ホッピーのP箱は、それ以上に使い続けることができるリユースの王様的存在といえます。2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにするというのが世界の目標ですが、今あるP箱はこの先二酸化炭素を排出することなく、2060年を超えてもまだ使いづつけることができる計算になります。


episode 11
40年以上使えるP箱。