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episode 6

CO2が増えて、地球は苦しい状態です。

太平洋の真ん中にぽつんとあるハワイの島々。アメリカ大陸やアジア、オセアニアのどこからも遠い場所にあります。その中でも一番大きなハワイ島のマウナケア山頂には、あのすばる望遠鏡をはじめ世界各国の天文台や望遠鏡が集まっています。太平洋の真ん中にあって大きな都市が近くにないなど、天体観測に適しているからです。ハワイ島のもう一つの大きな火山マウナロアの観測所では、今から60年ほど前から二酸化炭素濃度の観測が続けられてきました。そこは標高が3,400メートルほどで、常に貿易風が流れ、人間の活動や植物の呼吸などによる影響がない場所なので、地球の二酸化炭素濃度を測るのに適しています。

1958年にチャールズ・キーリング博士によって始まった観測ですが、わずか2年後に大きな成果を上げます。それまでは理論として、つまり、そういうはずだと考えられていただけの二酸化炭素濃度の上昇を、初めて事実として証明したのです。博士の研究はその後も続けられ、大気中の二酸化炭素の蓄積をグラフ化したものは「キーリング曲線」と呼ばれ、その後の温室効果ガス研究の基礎となりました。このキーリング曲線は、二酸化炭素濃度が年々上昇していることを示すものでした。

現在、世界中の二酸化炭素排出の様子は、人工衛星「いぶき」(GOSAT)によってわかります。「いぶき」は3日間で地球のあらゆる場所を巡り、二酸化炭素の濃度を観測しています。これによって、どの場所でどれくらいの二酸化炭素を出しているかを、地球規模でわかるようになっています。

「いぶき」の最新のデータ(2021年12月)によると、
地球全体の二酸化炭素濃度は415.0ppmです。
また、この一年での濃度の増加量は2.4ppmです。

2015年、パリで開かれたCOP21で、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という内容のパリ協定が結ばれました。1.5℃に抑えるには、大気中二酸化炭素の上限濃度は430ppm付近とされています。上記の「いぶき」の最新データから計算すると、二酸化炭素濃度が430ppmに達するまであとわずか6年3ヶ月です。もう時間はありません。


episode 6
CO2が増えて、地球は苦しい状態です。



くわしいデータと解説1
キーリング曲線。


出典)国立研究開発法人 国立環境研究所
( https://www.nies.go.jp/kanko/news/28/28-5/28-5-04.html )


ハワイ島マウナロア山頂は、森林限界を超えた高度にあり植生がないこと、各大陸から遠く離れていることから、国際地球観測年にあたる1958年に観測所が設置されました。そこで科学者チャールズ・キーリングは大気中の二酸化山炭素を測り、その蓄積をグラフ化しました。1960年の論文では、その記録を示し、二酸化炭素濃度が世界的に年々上昇していることを発見したと発表しました。観測開始当初の二酸化炭素濃度は315ppm程度でした。これは、産業革命前の280ppmに比べてすでに35ppmも濃くなっていることを示しています。その後の50年間ではその上昇率がさらに高まり、2倍の70ppmも濃くなっていることがわかります。


くわしいデータと解説2
「いぶき」による二酸化炭素濃度の観測。

世界初の温室効果ガス観測専用の衛星「いぶき」は、地球を3日間で隈なく観察しています。これによって、地球の核地点の二酸化炭素濃度の状況が把握できます。
下の動画は、その様子を観測データに基づいて可視化したものです。2009年から2020年までの濃度の変化がわかります。そして、月別平均濃度は季節変動をしながら年々上昇している様子がわかります。


出典)国立環境研究所動画チャンネル