LEARN
09

episode 9

日本から、世界から、スキー場が減ってゆく。

ヨーロッパアルプスのスキー場は、スイスを中心に西はフランスから東のオーストリア、スロベニアまで、8カ国にまたがっています。世界のスキー場の35%が、このアルプスに集中しているそうです。そのアルプスで、スキーを楽しめる期間がひと月分も減ってしまいました。50年ほど前と比べて、平均して38日もスキーシーズンが短くなっています。さらに、最も寒い時期が徐々にずれはじめ、かつてはクリスマス休暇の時期と重なる12月がハイシーズンだったのですが、今では1月から2月がスキーシーズンになってしまいました。休暇の時に雪がないということで、スキー場に行く人も少なくなっているようです。

2017年のアルプスの降雪量は、スイス連邦雪・雪崩研究所が観測を始めた1874年以降で、最も少なかったそうです。アルプスのスキー場のうち、200以上のスキー場が雪不足のためなどで放置されています。

日本でも、温暖化の影響で、降る雪の総量は全国的に減っています。気象庁の観測によると、北日本、東日本、西日本の日本海側で、積雪量が減っており、特に西日本の日本海側は1990年以降、大雪になることがなくなっています。このまま、地球温暖化の対策を取らずに気温が約4℃上がると、北海道の一部地域を除いた日本中の積雪量は約7割も減ると気象庁の将来予測では言っています。

この10年、毎年雪不足のためスキー場のオープンが後ろ倒しになっていて、過去2シーズンは深刻な雪不足で1日も営業ができなかったというスキー場が、福井県の山間部にあります。人工雪を降らせてゲレンデを確保しようとしても経費がかかりすぎて採算が取れません。このままでは、西日本のスキー場はこれから次々に廃業していくのではといわれています。ここにも温暖化の足音が確実に迫っています。

それでも、年によっては「ドカ雪」で交通マヒも起きているじゃないかという人もいるかもしれません。たしかに、小雪が進む一方で、ドカ雪のシーズンもあります。でも、このドカ雪も、地球温暖化の影響なのです。海水温の上昇で待機中の水蒸気量が増えた結果、ドカ雪をもたらしているのです。


episode 9
日本から、世界から、スキー場が減ってゆく。



くわしいデータと解説1
日本の雪は減っている。




出典)気象庁
( https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/2021/pdf/ccmr2021_sec2-5.pdf )


日本の積雪量の変動を気象庁がレポートしています。これによると、北日本、東日本、西日本の各地域とも減少傾向が現れており、また、すべての地域で1980年から1990年にかけて大きく減っているとしています。

グラフの見方:このグラフは、毎年の雪の量が基準値より多いか少ないかを棒グラフで表したものです。基準値は、1991年から2020年の30年間の平均値です。それを100とした場合、各年の雪が多いか少ないかを示しています。つまり、最近30年と比べて昔は雪が多かったか少なかったかがわかります。赤の線が長期変化傾向を示すものですが、いずれも右下がり、つまり、年々雪が減っていることを示しています。