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episode 1

地球があたたまっています。

昔は真夏でもこんなに暑くはなかったと、おじいさんやおばあさんが言っているのを聞いたことはありませんか。
100年前と今の東京の年平均気温を調べてみましょう。2013年は17.1℃で、100年前の1913年は13.4℃でした。つまり、3℃以上も上がっています。また、真夏の8月の平均気温で比べてみると、2013年は29.2℃で1913年は23.8℃です。5.4℃も上がっています。なんとなく感じていたことでも、こうして数字にしてみると、はっきりと暑くなっているのだとわかります。日本の気温は昔よりも確実に上がっています。

日本ばかりではなく、地球全体でみても同じように気温は上がっています。
今から約170年前、江戸時代末期日本に黒船がやってきた頃から、世界の気温は少しずつ上がり出しました。農業が中心だった人々の暮らしが、工場ができて多くの人がそこで働くようになった時代です。さらに、1950年代から気温が急激に上がっていることがわかっています。戦争が終わり、世の中が落ち着いて産業が盛んになり、たくさんの工場ができ車もたくさん走るようになった頃です。

地球があたたかいのは、太陽からの熱を吸収しているからです。地球は、太陽からの熱を吸収すると同時に、余計な熱を宇宙に逃すこともしています。それでバランスを取っています。でも、このバランスがくずれてきたから、世界の気温が徐々に上がっているのです。そのバランスをくずしているのは私たち人間なのです。


episode 1
地球があたたまっています。



くわしいデータと解説1
東京はどんどんあたたかくなっている。


出典:気象庁ホームページ
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662

上のグラフは、気象庁のデータから作った東京の8月の月平均気温と年間平均気温の約150年間の変化を示すものです。これをみると、この150年間で少しずつ気温が上がっていることがわかります。
特に、年間の平均気温(オレンジのグラフ)が確実に上がっていることが読み取れます。
8月の赤のグラフをみると、やはり年々気温が上がっていることがわかります。


くわしいデータと解説2
猛暑日と熱帯夜が増えている。


出典:気象庁ホームページ
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/himr/csv/tmaxGE35/tmaxGE35_tk.csv
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/hakusho/2016/csv/p102.csv

上のグラフは、東京都内の猛暑日と熱帯夜を示したものです。
猛暑日というのは、最高気温が35℃以上の日、熱帯夜とは、夕方から翌朝までの最低気温が25℃以上になる夜のことです。約100年の間に、猛暑日も熱帯夜も増えていることがわかります。


くわしいデータと解説3
世界の平均気温も上がっている。


出典:気象庁ホームページ
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar6/IPCC_AR6_WG1_SPM_JP_20210901.pdf

上のグラフは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書から引用したものです。
右のグラフ「b)世界平均気温(年平均)の変化」の黒い折れ線をみてください。
1950年代以降の上昇率が高いことがわかります。
IPCCの報告書では、複数のデータから計算すると1880年から2012年の間に、0.85℃上昇しているといっています。
左のグラフ「a)世界気温(10年平均の変化」は、西暦1年からの気温をさまざまなデータによって推しはかったものと1850年以降の実際に計測した気温を合わせたものです。長い歴史の中でも近代の工業化が進んだこの100年間で、地球の気温が爆発的に上昇していることがわかります。

*IPCCについて
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とは、1988年に国連のもとにできた組織です。世界中から選ばれた科学者が集まって、地球温暖化について研究した結果を整理し、数年に一度報告書を公表しています。この報告書をもとに世界の国々は地球温暖化防止に向けて国際的な取り組みをしていくことになります。